早い段階で診断がつきづらく、かかると治療もむずかしい病気

細菌性髄膜炎(さいきんせいずいまくえん)は、早い段階でそれと診断することがむずかしく、また、かかると治療も困難で重症化しやすい病気です。保護者のみなさんには、細菌性髄膜炎のこわさを知っておいてほしいのです。

〈理由1〉早い段階で診断がつきづらい

細菌性髄膜炎の始まりは、熱が出たり吐いたりなどカゼの症状との区別がむずかしいため、病気の発見がおくれることがあります。診断がついたときにはかなり病気が進行してしまっているということも少なくありません。

〈理由2〉治療がむずかしい

最近では、菌をやっつけるための薬[抗菌薬]が効きにくくなっている菌[耐性菌]が増えてしまっているため、治療のための薬がうまく効かないケースもあります。また髄液(ずいえき)や脳はからだの奥のほうにあるので、もともと薬がうまく届きにくいのです。

〈理由3〉命にかかわることがある

細菌性髄膜炎にかかると重症化することが多く、最善の治療をつくしてもときには命を落としてしまうことも。なかには、発熱してからわずか1日以内で命を落とす例もあります。

〈理由4〉重い障害が残りやすい

細菌性髄膜炎にかかると、知能障害や難聴、発達のおくれなどの重い後遺症が残ってしまうことがあります。

監修:川崎医科大学 小児科学 主任教授 
中野 貴司 先生