入園をきっかけにせきやお熱
が増えるのはなぜ?
保育園や幼稚園では、たくさんの子どもたちが一緒に時間を過ごします。楽しい集団生活の反面、実は、子どもたちはウイルスや細菌をうつしあっているのです。入園後、お子さんがお熱をもらってしまうことが増えていくのは、そのためなんですね。
集団生活がはじまると増えていく感染症の中には重い病気も含まれますが、ワクチンで予防できるものもあります。
感染症からお子さんを守るために。
入園する前も、入園してからも、かかりつけの先生と一緒にワクチンチェックをしてみてください。
入園準備はできていますか?
入園までに必要なもの・こと
集団生活を送る子どもたちにとって大切なワクチン
ワクチン名称 | 標準的な接種回数 | 定期/任意 |
---|---|---|
肺炎球菌 | 4回 | 定期 |
ヒブ | 4回 | 定期 |
四種混合 [または三種混合+不活化ポリオ] |
4回 | 定期 |
BCG | 1回 | 定期 |
麻しん・風しん | 1回 [2回目は小学校入学前の1年間] |
定期 |
日本脳炎 | 3回 | 定期 |
水ぼうそう | 2回 | 定期 |
B型肝炎 | 3回 | 定期 |
ロタウイルス※ | 2または3回 | 定期 |
インフルエンザ | 毎年2回 | 任意 |
おたふくかぜ | 1回 [2回目は小学校入学前の1年間] |
任意 |
※
2回のワクチンは生後24週未満まで、3回のワクチンは生後32週未満までに完了する。上記は日本小児科学会が推奨する予防接種スケジュールを参考に作成したものです[2016年10月現在]。
接種するワクチンの種類や接種回数等は、接種開始時期、地域やお子さんの状況により異なる場合があります。接種の詳細についてはかかりつけ医にご相談ください。
保育園・幼稚園への入園前に、お子さんの年齢にあわせてワクチンが終了しているかご確認ください。
また、集団生活をしていてもワクチンのことをお忘れなく。
お早めにかかりつけ医にご相談ください。その際には母子健康手帳をお忘れなく。
入園準備に大切なワクチン Q&A
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Q. 入園してから熱を出すことが多くなるのは、どうしてだろう?
A. 集団生活に入ると子どもたちが一緒に時間を過ごすため、菌やウイルスなどの病原体をうつしあうことがよくあります。
入園後、お子さんがお熱をもらってしまう事があるのは、そのためなんですね。実際に、たとえば肺炎球菌による重い病気[髄膜炎や薗血症など]は、かかるお子さんの数のピークが春にあることが報告されています。これは、多くのお子さんが集団生活に入る春に、のど[鼻の奥]に持っている薗をうつしあうためと考えられています。集団生活がはじまると増えていく感染症の中には重い病気も含まれていますが、ワクチン接種で予防できるものもあります。
感染症からお子さんを守るために、入園する前も入園してからも、かかりつけの先生と一緒にワクチンチェックをしてみて下さい。 -
Q. 同じ種類のワクチンを複数回接種しなきゃいけないのはなぜ?
A. 免疫が未発達な子どもたちには、決められたタイミングで決められた回数のワクチンを接種することで、初めて長く続く免疫力をつけることができます。
特に追加接種は十分な免疫力をつけるためにとても大切です。忘れずに接種しましょう。 忘れていませんか?大切な追加接種 -
Q. いつまでワクチンチェックは必要なの?
A. 近年、ワクチンの制度や種類は目まぐるしく変化しています。お子さんが大きくなったから、もうワクチンを打たなくて大丈夫と思っても、定期的に母子手帳を開いて、かかりつけの先生に相談してみてください。
監修:長崎大学 小児科 教授 森内浩幸先生