ヒブと肺炎球菌が、細菌性髄膜炎のおもな原因菌

ワクチン普及前の日本では、乳幼児の細菌性髄膜炎(さいきんせいずいまくえん)の原因の約80%が、ヒブ[インフルエンザ菌b型:Hib]と肺炎球菌(はいえんきゅうきん)です。どちらの菌でかかるかわからないため、両方ともワクチンを接種して予防することが大切です。

細菌性髄膜炎の原因(ワクチン普及前)細菌性髄膜炎の原因細菌性髄膜炎の原因

調査年によって少々の差異はありますが、インフルエンザ菌57%[ほとんどがヒブ]、肺炎球菌19%[砂川らの報告、調査期間2007年~2008年]などの報告があります。なお、その他の原因には、B群レンサ球菌や大腸菌などが含まれます。

ワクチン普及前の日本における乳幼児の細菌性髄膜炎の原因で一番多いのはヒブ、次が肺炎球菌。どちらの菌で起こっても重い病気ですが、より重症になりやすいのは肺炎球菌による髄膜炎で、命を落としたり重い後遺症が残ったりします。

どちらの菌に対してもワクチンがあります。細菌性髄膜炎の予防には、「ヒブワクチン」と「小児用肺炎球菌ワクチン」の2つの接種が大切です。

監修:川崎医科大学 小児科学 主任教授 
中野 貴司 先生