小児用肺炎球菌ワクチンってどんなもの?
細菌性髄膜炎など、肺炎球菌による重い感染症を予防するワクチンです。
肺炎球菌は90以上の型[種類]がありますが、その中で子どもたちに重い病気を起こすことが多い種類を選んで作られています。
予防できる病気
ワクチンに含まれる肺炎球菌の型(種類)による髄膜炎や菌血症、菌血症を伴う肺炎など。これらの病気を予防するために接種します。
日本においても、ワクチンの普及に伴い、ワクチンで予防できる肺炎球菌による重い感染症が減少してきています。
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細菌性髄膜炎(さいきんせいずいまくえん)
脳や脊髄をおおっている髄膜に菌が侵入して炎症を起こす。
ワクチン普及前の日本では、毎年約200人の子どもが肺炎球菌による髄膜炎にかかり、うち3分の1くらいが、命を奪われたり、重い障害が残ったりしていた。 -
菌血症(きんけつしょう)
血液の中に菌が入り込むこと。放っておくと、血液中の菌がいろいろな臓器にうつり、髄膜炎など重い病気を引き起こす心配がある。
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重症肺炎[菌血症を伴う肺炎]
肺炎球菌という名の通り、肺炎の原因になる。症状が重く、入院が必要になることもある。
接種する時期
生後2か月齢以上から接種できます。
肺炎球菌による髄膜炎は約半数が0歳代でかかり、それ以降は年齢とともに少なくなりますが、5歳くらいまでは危険年齢です。
2か月齢になったらなるべく早く接種しましょう。
世界での接種
発売されてから10年以上、世界中で多くの子どもたちに接種されています。
監修:千葉大学真菌医学研究センター
感染症制御分野 教授 石和田 稔彦 先生
2023年7月作成 PRV45N008A