肺炎球菌による子どもの病気は?
肺炎球菌は、細菌性髄膜炎、菌血症、肺炎、中耳炎などをおこします
肺炎球菌は文字どおり、肺炎の原因になる細菌です。でもそれだけではありません。ほかにも、細菌性髄膜炎、菌血症、中耳炎といった病気をおこします。
肺炎球菌というのはじつはそこら中にいる菌で、子どもの多くが鼻の奥や気道に保菌しています。保菌しているだけでは問題ありませんが、残念ながら小さな子どもは肺炎球菌に対する抵抗力をもっていませんので、比較的簡単に肺炎球菌に感染してしまいます。
カゼをひくと中耳炎になることがありませんか? これはカゼによって粘膜の抵抗力が落ちると、耳で感染症をおこすためです。
このように、肺炎球菌は、耳で感染症をおこすと「中耳炎」に、肺に入りこんで「肺炎」に、血の中に入りこんで「菌血症」に、脳や脊髄を覆っている髄膜の中に入りこんで「細菌性髄膜炎」を発症します。
これらの病気は、もちろんほかの細菌やウイルスが原因でおこることもありますが、肺炎球菌が主要原因であることがほとんどで、菌血症では80%[1番目]、肺炎の場合は30%[1番目]、細菌性髄膜炎では20-30%[2番目]、細菌性の中耳炎の場合は30%[2番目]で肺炎球菌が原因と言われています。
監修:国立がん研究センター 中央病院感染症部 感染制御室 岩田 敏 先生
2023年7月作成 PRV45N008A